「痛っ!」
唇から血が出てきました。
口を動かした拍子に、
乾燥で切れてしまったようです。
まめな性格でない私は、
朝に一度リップクリームを塗っただけで、
唇が割れるまで乾燥に気づきませんでした。
せめて痛みが和らげばいいなと思い、
かばんの内ポケットに入れておいた
高保湿のリップクリームを取り出して、
念入りに何往復も塗っておくのでした――。
これは私が
オーソモレキュラーアカデミーで
分子栄養学を学ぶ前の冬場あるあるです。
唇の割れって、地味に痛いんですよね。
唇だけではなくて、
指先がささくれて血が出たり、
足のすねが粉をふいてかゆかったり、
乾燥によって体のいたるところが
気になってしまいます。
しかし、
分子栄養学アドバイザーになった
2024年の私は、ひと味違います。
冬場、
常に持ち歩いていたリップクリームは
まだ一度も使っていませんし、
ささくれて出血していた指先も、
乾燥シーズンとは思えないほど
キレイなままです。
足のすねにいたっては、
風呂あがりにボディクリームを塗っても
翌朝には粉をふいてかゆかったのに、
今年は4歳娘の肌と同じくらい
潤っていて、つるつるなんです。
ということで、今回は
冬場に起こりがちな乾燥による
肌トラブルを栄養で解決した話を
お届けしたいと思います。
冬の乾燥対策におすすめの「ボーンブロス」
私がオーソモレキュラーアカデミーで
分子栄養学を学び始めて、もうすぐ1年。
この1年で食事・栄養の大切さを痛感し、
食習慣を見直したり、サプリメントを
いろいろ試してみたり、
自分の体を実験台にして
体の変化を観察してきました。
そのなかで、肌の乾燥に
いちばん効果があったと感じているのは
「ボーンブロス」です。
ボーンブロスは、
肉や魚を骨ごと煮込んだスープ。
じっくり煮込んで作るため、
身や骨から栄養が溶け出ているほかに、
消化吸収されやすいという特徴があります。
また、スーパーで購入した材料で
簡単に作ることができ、優しい味で
4歳の娘も好んで食べてくれます。
だし感覚で様々な料理に
アレンジもできるので、
乾燥する時期は毎日のように
食卓に忍ばせるようになりました。
コラーゲンの力で肌も健康もサポート
では、ボーンブロスが
肌の乾燥に良いのはなぜでしょうか。
ボーンブロスは栄養が豊富で、
タンパク質やミネラルなど様々な栄養素が
含まれていると言われています。
そのなかでも、
私が注目したい成分は「コラーゲン」です。
コラーゲンはタンパク質の一種で、
健康や美容に役立つ機能を持つことが
わかっています。
コラーゲンが私たちの肌に
多く含まれていることはよく
知られていると思いますが、
肌以外にも骨や軟骨、
粘膜や血管にも多く存在しています。
そんなコラーゲンが
水分を抱え込むことで、
肌の弾力のもとになっているのだそう。
人間にとって、
コラーゲンは必要不可欠な
栄養素のひとつだとわかります。
ところが、
ひとつ年齢を重ねるごとに体内から
約1%ずつコラーゲンが減っていくのだとか。
また、日本人女性の食事による
1日の平均コラーゲン摂取量は
1g台と低い数字になっています。
健康や美肌のためには1日5gは
摂りたいと言われているので、
普段の食事では足りないようです。
株式会社マザーフーズさんが
販売しているボーンブロスは、
スープ130gあたりに含まれるコラーゲンが
約6gだと公表されています。
私が自分で作ったボーンブロスにも、
同等のコラーゲンが含まれているとすると、
自作のボーンブロスを飲んで
コラーゲンが補えたことで、
肌の水分がしっかりと保たれて、
気になっていた肌トラブルが解消したのでは
ないかと見ています。
体験談:インフルエンザとコラーゲン
コラーゲンには炎症を抑えたり、
傷を治りやすくしたりする働きもあります。
コラーゲンを摂ると、
炎症部位や傷口でのコラーゲン代謝が促進さ
れ、組織修復が速やかに行われるのだそう。
先日、インフルエンザにかかったとき、
その働きを実感しました。
39度を超える熱と
のどの痛みで食欲がなく、
ほとんど食べられなかったのですが、
何か口に入れるなら
栄養のあるものがいいと考えて、
ドラッグストアで購入した
「コラーゲンゼリー」を食べました。
フィッシュコラーゲンが
1本2.5g入っているゼリーを、
5日間、朝昼晩と食べたので
1日あたり7.5gのコラーゲンを
摂ったことになります。
すると、
同じタイミングでインフルエンザになった
家族と比べて、治りが早かったのです。
(家族はコラーゲンゼリーの味が
苦手で食べませんでした)
家族は高熱が下がってからも
鼻づまりや咳が何日か続いていたのですが、
私は長引くことなくスッキリと治せました。
私は風邪を引くと、
だいたいこじらせて蓄膿症の症状が
続いてしまうタイプなので、驚きです。
もしかしたら、
のどや鼻の粘膜にある
コラーゲンの代謝が促進されて、
炎症が早く治まったのかもしれませんね。
蓄膿症の手術を控えています……
話は変わって、
私は来年3月に蓄膿症の
手術を受ける予定です。
普段、
鼻づまりや鼻水といった
症状は気にならないのですが、
鼻のレントゲンを撮ってもらった際に
膿がたまっていることがわかり、
手術をしたほうがいいと言われました。
蓄膿症の手術って、
術後が結構痛そうなんですよね……。
鼻の粘膜に傷ができるみたいですし、
鼻で息ができなくて口呼吸になるため、
のども乾燥するそうです。
粘膜の傷……?!
のどの乾燥……?!
コラーゲンが使えそうなのでは……!!
今回、
コラーゲンについて調べてみて、
コラーゲンを摂ると
術後の回復を少しでも早めることが
できるのかもしれないと思いました。
もちろん食事は
しっかりと3食とりつつ、
ボーンブロスやコラーゲンゼリーを使って
意識してコラーゲンを
摂ってみようと思っています。
痛そうでびびっていた蓄膿症の手術ですが、
コラーゲンというお守りのおかげで
なんとか乗り切れそうです……!
【参考文献】
伊藤まゆら.コラーゲン含有飲料摂取による顔面皮膚性状の変化.日本補完代替医療学会誌.2009,第6巻,第2号,111–118
野口知里ら.20代から50代日本人女性における食事由来コラーゲン推定摂取量の特徴.栄養学雑誌.2012,Vol.70,No.2,120ー128
佐藤健司.コラーゲンペプチドの効果のメカニズム.日本香粧品学会誌.2020,Vol.44,No.4,p308–313