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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

執筆者の写真尾崎由貴

8月に冬用のアウターを着ている女性

「え。今8月だよね? その服装どした?」

 

ショッピングモールで見かけた女性は、

 

季節外れのモコモコあったかアウターを着て

(上まできっちりファスナーを閉めて)

一人、通路のソファに腰掛けていました。

 

冷房が効いているとはいえ、

私自身は半袖を着ていても

寒さを感じていません。

 

周りを見渡してみても、

ボアジャケットはおろか

長袖を着ている人は見当たらず、

半袖を着ている人が大多数です。

 

女性の姿の異様さに、私は

分子栄養学アドバイザーの資格を

持つ一人として目が離せなくなりました。

 

 

年齢は50代か60代でしょうか。

 

背中は丸まっていて、

頭頂部の髪の毛はなく、

リンゴの大きさほどの頭皮が見えています。

 

手には何か書かれた、小さな白い紙。

 

きょう買う予定の物を

忘れないように、紙にメモして

持ち歩いているのかもしれません。

 

体の前には

空の買い物カートが置かれていて、

 

フロアを移動する際にカートを

押しながら歩くと体がラクなのかな、

それほど体がだるいのかなと想像しました。

 

 

その女性を一目見たときから、

 

私の頭の中には

オーソモレキュラーアカデミーで

教わったことが浮かんでいました。

 

それは、とある病気についてです。

 

その代表的な症状には

「冷え」「記憶力の低下」「むくみ」、

そして「疲れやすさ」などがあります。

 

人によって症状はさまざまですが、

 

うつ病や更年期障害、認知症

ではないかと思い、病院を受診して

病気が発覚することが多いそうです。

 

男性よりも圧倒的に

女性がかかりやすく、

不妊の原因になることもある病態。

 

その名を「甲状腺機能低下症」といいます。

 

■「疲れやすさ」は甲状腺にまつわる病気?

 

甲状腺の病気といえば、

歌手の絢香さんが21歳で

患った「バセドウ病」もそうです。

 

名前に聞き覚えがある

という人も多いかもしれません。

 

「甲状腺機能亢進症」と

呼ばれることもあります。

 

甲状腺機能亢進症は

甲状腺の働きが強くなることで、

 

脈が速くなったり、

冬でも暑がって半袖を着たり、

眼球が突出したりするなどの症状が出ます。

 

そして、甲状腺機能低下症と同じく

「疲れやすさ」を訴える人が多いのですが、

 

その感じ方には亢進症と低下症では

違いがあるらしいのです。

 

甲状腺機能亢進症では、

たとえば家で掃除機をかけただけで

ハアハアと息があがったり、

 

横になって

寝ているだけなのに動悸がしたり

するといったことがあるそうですが、

 

甲状腺機能低下症では

体がだる重く感じ、外出が

好きなのに休みの日に一日中

ベッドの上で過ごすほど強い眠気が

あったり、疲労感があったりするそうです。

 

 

そもそも「甲状腺」とは何なのでしょうか。

 

甲状腺は首の前面にある器官で、

のどぼとけの下あたりに位置しています。

 

そこから「甲状腺ホルモン」が

分泌されていて、全身(のあらゆる細胞)の

代謝を維持、促進する働きをしています。

 

車にたとえて、エンジンの

ような役目があると言われたり、

 

元気を出すホルモンを出す臓器と

言われていたりします。

 

ですので、甲状腺に

異常をきたすと体全体に症状が出て、

 

ひどくなると

日常生活に支障が出てしまうのだとか。

 

 

それから、

亢進症よりも低下症のほうが

発見されにくいと言われています。

 

亢進症は「自分の心臓の音(動悸)のせいで

眠れなかった」と振り返る人がいるほど、

明らかな体の異常を感じます。

 

何かおかしいと気づいて病院に

行く人が多いため発見されやすいのですが、

 

低下症は特に軽度の場合、

症状が出ていても無自覚だったり、

病院に行くほどではないと

思ったりする人が多いようです。

 

■異常な寒がりは甲状腺機能低下症?

 

私の憶測でしかないのですが、

ショッピングモールで見かけた

季節外れの服装をしていた女性は、

 

もしかすると

甲状腺に異常があるのかもしれません。

 

そう思う理由はいくつかあって、

 

まず暑い季節に

冬の服装をしていたことがあげられます。

 

甲状腺ホルモンには

体温を上げる作用があるため、

 

甲状腺の機能が低下して

甲状腺ホルモンの量が少なくなると

異常な体の冷えを感じるのだそうです。

 

頭頂部の髪の毛が

抜け落ちていたのも気になるポイントです。

 

髪の毛の毛根には甲状腺ホルモンを

受け取るセンサーがあるため、

 

ホルモンの分泌量が減ると

髪の毛の成長を支える細胞が

うまく働かなくなり、徐々に

髪の毛が抜け落ちていきます。

 

しかも一度抜けると、

治療しないかぎり次の毛が

生えてこなくなる、と専門医が

監修する記事※に書かれていました。

 

もう一つ、

メモした紙を手に持っていたことも

甲状腺機能低下症を疑う理由です。

 

甲状腺ホルモンは

脳や自律神経(交感神経)にも

作用しているため、分泌量が低下すると

 

脳の活動が鈍くなって、

認知症ではないかと思ってしまう人が

いるほど忘れっぽくなると言われています。

 

これらの理由から

女性が甲状腺機能低下症なのではないか

と思ったわけですが、

 

これはあくまで私個人の憶測ですので

 

「へえ、そうなんだ」くらいに

思って読んでいただければ幸いです。

 

ただ、私の身近に

こういった症状で悩んでいる人がいたら、

一度検査することを勧めてみると思います。

 

■甲状腺について診てもらうには?

 

甲状腺の異常を調べる方法には、

血液検査と超音波検査があります。

 

内分泌科や

耳鼻咽喉科でも診てもらえますが、

 

自分が受診するのであれば

甲状腺専門病院に行くと思います。

 

より正確な診断や治療を

受けたいと思っているからです。

 

もし甲状腺機能低下症だった場合、

服薬による治療が行われるとのことです。

 

 

先日、60歳の母が健康診断に行ったので

 

「甲状腺について調べる

項目を追加してもらったら、どう?」

 

と母に提案しました。

 

その結果、母の甲状腺に

異常はないとわかって安心したのですが、

 

検査当日すぐに結果が出ていて、

その速さに驚きました。

(病院によるかもしれません)

 

 

ここからは私の話になるのですが、

 

今年32歳になる私は昔から疲れやすく、

家族の中でいちばん寒がりなんです。

 

ショッピングモールで見かけた女性が

未来の自分の姿のようにも思えて、

他人事ではないと感じました。

 

甲状腺機能低下症になると

妊娠しにくくなったり、流産を

繰り返したりすることがあると聞きます。

 

私は何年後かに

第二子を産みたいと考えているので、

 

一度検査してみたほうが

いいかもしれないと思っています。

 

本当に、他人事ではないんですよね――。

 

 

参考:

※)Medicalook(メディカルック)

甲状腺疾患の「髪の抜け方」どう見分ける?

2024年9月2日



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