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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

執筆者の写真北野香苗

難しく考えない食育

こんにちは!

6 期アドバイザーの北野です。

 

今回は、食育についてです。

 

分子栄養学の知識を取り入れた食事をして、

体に必要な栄養が満たされてくると、

 

少しずつ食事を楽しむことができたり、

イライラが少なくなるので、

自分や家族、子どもと向き合える時間が

持てるようになってきます。

 

 

そんな心や体になってくると、

食育も楽しく取り組めるかもしれませんが、

 

どうも、

「食育」と聞くと、

分厚い壁を感じてしまう方も多いようです。

 

 

食育基本法が

約20年前の2005年に

施行されてから、

 

『食育は大事』

ということは浸透してきていると

思います。

 

生命活動を維持し、

楽しく充実した日々を過ごすためには、

正しい食の知識、選択できる力、

食べる技術、生活スキルを

身につけられていることが大切で、

 

それらは本能ではなく、

教えられ、生活に落とし込まれて、

自分の心と体を

自分で守れるようになります。

 

 

しかし、

『さぁ!食育』をしようと

意気込んで、

難しく考えすぎてしまったり、

ハードルが高くなってしまったり、

めんどくさくなってしまったり、

続かなかったり…

 

または、

食育=子ども

だから、自分には関係ないや

と思ってしまう方がいたり。

 

 

今回のブログでは、

肩の力を抜いて、

大人も子どもも、食を楽しめるように

“日々の食事”が安心材料となるように

 

食べる意欲を育み、

安心して心が整う食環境を作り出し、

『人間としての土台』を作るために、

 

難しい、めんどくさい

と思われてしまいがちな

見方が変わるように

 

自然と行える食育について、

書いてみたいと思います。

 

 

 

【なぜ食育が必要なのか】

 

 

食べる、とは

=栄養を摂る

→生命活動を維持、成長する

 

だけではなく、

 

食べるためには、

――――――――――

・食べるための体の協調動作

・自分に合った食の選択

・食べる意欲、食べる楽しみ

・状況に応じた食スキル

・一緒に食べる人への気遣い

・「食」を大切にする心

――――――――――

といった『食を営む力』

 

大切だといわれています。

 

 

昭和50年代後半ごろから

言われ始めたのが、「孤食」「個食」

 

自分の好きなものだけを

好きな時間に

ひとりで食べる食卓が多くなり、

 

マナーが分からない、

食品食材についての会話はもちろん

今日の出来事の会話もできない。

 

偏食傾向となり栄養バランスが乱れ、

生活習慣病のリスクが高まります。

 

 

今の日本は、

いつでも、どこでも、

食べたいものを食べられるからこそ、

1日3食の食事の大切さが

忘れ去られがちでもあります。

 

 

とにかく時間がない、忙しい中、

とりあえず、食べられればいい。

ぱっと食べられて

手間のかからないものがいい。

という傾向が強くなっています。

 

 

「誰かと一緒に食べる楽しみ」

「味や食感等を分かち合う楽しみ」

「おいしいものを味わう楽しみ」

 

という

「食事が楽しい」ことを忘れがちで、

 

 

・子供が食べてくれず、ストレスばかりが溜まる

・食べやすいもの中心になり、噛む力も育たない

・ただただ食事の用意、食事の時間が苦痛

・マナーを教えなきゃと𠮟りつけてしまう

などなど

 

悪循環が起こり、

食育は野菜を育てたり、一緒に料理したり、

そんな余裕・・・・

あるわけないじゃんっ!!!!!

 

となってしまっているように思います。

 

 

また、

そのような食卓だと、

そもそも安心して食べられる環境ではないし、

常に交感神経が優位となってしまい、

 

どうにか頑張って食べたとしても、

消化吸収ができずに

そもそも体に栄養が摂り込めない。

 

 

本当に悪循環です。

 

 

大学時代の友人の1人に、

別に食べたいと思うものもないけど、

義務感で食べる。だとか

 

ランチで訪れた飲食店で、

隣のテーブルの親子(父・母・子1人)で、

子どもが両親用にもカラトリーを

並べていて、

私は(お手伝い!素敵!)と思っていたら、

置き方がダメだったようで、

両親から叱られてしょんぼり。だとか

(いつも食事前から緊張状態なのかな…

とかなり心配になりましたが、

何かできるわけでもなく…)

 

朝起きれなくて、

朝ごはんも作れないし、

作っても食べないから、

幼稚園への通園途中に、

自転車のチャイルドシートで

菓子パンを食べてもらっている。だとか

 

 

いろいろな場面に遭遇して、

複雑な心境になることが多くありました。

 

 

とはいえ、

それだけではなく、逆のエピソードもあります。

 

生活習慣が大いに乱れていた方の

食事相談を行ったときのお話しです。

 

食事の話だけではなく、

趣味の話やこれまでの体験なども

教えていただきましたが、

 

出身地でよく食べてきたもの、食べ方、

若い頃の食習慣が

それなりに良い習慣だったことが分かり、

 

その話をきっかけに、

本人の努力もあり、大いに改善した方が

いらっしゃしました。

 

 

 

昔に経験したことでも、

『食経験は本人の中に残っている…!!』

 

ということを強く感じました。

 

 

 

【食育の実践☆】

 

 

とにかく、

食育の”大切さ”は

広く伝わっていると思いますが、

 

実際に何をするか。

 

 

「子どものために食育をしなきゃ」

  ↓

「子どもだけでなく大人も楽しむ食育」

 

 

「今の食事の準備に

プラスしてそんな余裕がない」

   ↓

「普段からやっていることで

負担に感じないことから1つずつ」

 

 

食べることは、

生きている限り一生続くことなので、

ナチュラルに、

義務感、負担感を少なく、

行ってほしいと思っています。

 

 

<よくある食育>

 

◆野菜の栽培、収穫

 食材を育て観察し、感謝して食べる

 食材に興味を持つきっかけとなる

◆一緒にクッキング!

 食材を切ったり調理したりすることで変化し、

 興味を持つきっかけとなる

 

 

がパッと頭に浮かぶ方が多いようです。

 

 

正直に言いますと、

私は、この2つはできませんでした…

(言われればやりましたが、積極的にはできませんでした笑)

 

ということもあるので、

『こんなことも食育になるのか!』

と思ってもらえるかは分かりませんが、

私の子供たちには

良い影響だったことをご紹介します。

(年齢や話が聞けるかどうかもあり、

時系列が前後して見づらかったら

すみません)

 

 

 

[五感を育てる系]

五感…

見る(視覚)、聞く(聴覚)、におう(嗅覚)、

味わう(味覚)、触れる・食べた感覚(触覚)

 

◆絵本の読み聞かせ(視覚、五感の表現)

 結構おいしそうに食材、料理が描かれています。題材が「食」でなくても、食べ物は結構登場するので、食べ物が出てきたら、必ず食べる真似をしていました。

 ・自分が食べるだけでなく、ちゃんと、子どもにも分け与えました。

 ・食べる音も想像して、聞き合いっこをしました。

 ・食材や料理の温度や触り心地を想像して、「あっつ!」「つめたいっ!」「つるつる~」「ちくちくする」とか自分が思うように演技して触ってました。

→絵本に食べ物が出てくると、楽しいな♪

 

◆音がする食べ物は耳元で(聴覚)

 食べているときに、 “音がするな”と思ったら、子どもに、「耳かして」と伝えてOKなら耳元で音を聞いてもらいました。

 子どもの方も、聞いてもらいたくなって、子どもが苦手な食材でもバクっと食べて、やたらと私の耳元でよく噛んでくれました。

 (音が聞こえなくても、聞こえたような演技をすることも多々ありましたが笑)

→おいしい音って、おもしろい、楽しいな♪

 

 

 

[食べ物の認識系]

 

◆「嫌いなんだね」「好き嫌いだめ」は絶対に言わない

べぇーと出してしまったりしたら、

固くて飲み込めなかったね、他のとなんか違ったね、少し苦かったかな?よくきれいに出せたねとか、それなりのことを声掛けしてました。

 魔法をかけた風にして、その場で細かく刻んだり、ご飯と混ぜたりして、「ごっくんできるようにしたよ、スプーンに乗った分だけピカピカにして!」という感じでなんだかんだ食べられるものについては、

「嫌いなんじゃない、食べづらいだけなのよ!あなたの力なら食べられるのよ!」というのをひたすら刷り込みました。

→自己効力感を高める

 

◆ごはん・おかず(主菜・副菜)を常に確認

時間がなくて夕食は丼になることが多いですが、その場合は、ご飯の上にお肉とお野菜のおかずがのっているよ、仲良く食べようね、といつも確認。

→バランスの良い食事の刷り込み

 

 

[お手伝い系]

お願いしすぎると時間がかかりすぎるので、

いつも1か2つくらいしかお願いしません…笑

 

<触れる>

◆買い物で食材を取り、カゴに入れてもらう

 

◆買い物した食材の仕分け

・いらないパッケージをはがしてもらう

・ゴミ箱に捨ててもらう

・買い物袋から取り出して手渡してもらう。大人が冷蔵庫などにしまう

→食材や食品を知る、保管場所を知る

 

◆料理に使う食材運び

食材それぞれの質感、触り心地が分かる

 

◆切った食材を移し替える

・まな板やボール⇔タッパーや鍋、フライパン

 

◆使い終わった調味料をしまってもらう

 

◆ミニトマトやブロッコリーを家族1人ずつのお皿に盛り付けてもらう

 

 

<つくる>

◆米の炊飯

・既に洗ってある米ともち麦を炊飯釜に入れてもらう

・線の部分まで水を入れてもらう

・水に浸った米ともち麦を10回混ぜる

・炊飯器まで運んでもらう

・スイッチを押してもらう

 

◆和え物

・材料をボウルに入れてもらう

・10回ずつ交代で混ぜてもらう

・盛り付けてもらう

 

◆おにぎり

・ラップに少しずつご飯とふりかけをのせて、包んでくるくるぎゅっぎゅっしてもらう

 

などなど、

もういつも何をしたがるかわかりませんが、

ありがたいことに興味を持ってくれて

つまみ食いもよくします(させています)!笑

 

 

細かい作業の1つを切り取って、

これならまずは関わってもらえそう。

 

パッケージを開けるだけでも、

手先の力やコツがいるので、

料理を作れないときだって、

食育に繋がることは

沢山あります。

 

 

まずは、大人が

『正しい知識を持ち、食べること』

大変な日は、便利なものに頼っても大丈夫。

 

その1日3食食べる過程全てにおいて、

食育に繋がることがたくさんあります。

 

 

 

【ポイントはやっぱり五感】

 

先ほども書きましたが、

見る(視覚)、聞く(聴覚)、におう(嗅覚)、

味わう(味覚)、触れる・食べた感覚(触覚)

 

その中でも

私のおススメは、

『音』を楽しむことです!

 

子どもも大人もリズム遊びすると、

楽しくなりませんか??

 

好きな曲に合わせて、

料理や食べる音を楽しむことが

私は好きです。

 

たまに楽しくなりすぎて、

食器や机ををカンカンならしてしまったり、

 

そんなときは、

「スプーンさん、お皿さん、机さんから

いたいいたいって泣いてる声がするよ…」

「こっちを〇〇してみてくれる?(代替案)」

などと擬人化したり、ごめんねを言ったり、

代わりにできることがあることを発見したり。

 

 

 

【少しお腹を満たしてから取り組もう!】

 

毎日、しっかり向き合うには

かなりハードですが、

今日はなんかできるかも??

という日は、

まずは一気にがんばりすぎず、

一部分をやってみる!

という感じで十分かと思います♪

 

 

そして、

もうお腹ぺっこぺこ状態だと、

ささいなことでギャーっとなったり

イライラしてしまうかもしれないので、

 

大人も子どもも、

補食を摂って、

少しお腹が満たされた状態で

できることから始めてみると、

 

より楽しい時間になると思います♪

 

 

 

毎日のことだからこそ、

欲張らずに、

小さな積み重ね。

 

食育の目的は、

単に「好き嫌いをなくす」ことではなく、

子どもが食べることに興味を持ち、

楽しみながら健康的な食習慣を身につけること

 

子どもばかりでなく、

大人自身が楽しいと思えること。

 

そのためには、

まずは大人が自分に合った方法で

体に必要な栄養を満たすこと♪

 

 

今回も長くなってしまいましたが、

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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