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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

執筆者の写真勝田梨沙

臭い尿でチェック!アスパラガスで遺伝子検査


こんにちは、

分子栄養学アドバイザーの勝田です。


今日は臭い尿のお話をしようと思います。


タイトルを聞いただけで

鼻をつまみたくなりますね。


お食事中の方は失礼いたします。



尿検査の記事を書きました。


記事を読んで

試してくださった方はいますか?



ペプシノーゲン法を使わず、

お手軽に胃酸分泌能力を

チェックできちゃう

画期的なビーツ尿検査でしたが、



今回使う食材は

アスパラガス!



春先から秋頃にかけてが旬のアスパラガス。


立派で美味しそうなアスパラガスが

スーパーの店頭に並んでいると

ついカゴに入れてしまいます。



アスパラの肉巻き、

わたし大好きです。



アスパラガスで

今回は一体何をチェックするというのでしょうか?



ズバリ、

あなたの遺伝子をチェックしちゃいます。



◆アスパラガスを食べると尿が臭う◆


アスパラガスを食べると

なんか尿が臭い…



わたしがこれに気が付いたのは

分子栄養学に出会ったばかりの頃でした。



時折自分の尿が

ツンッと、鼻を突くような強烈な臭いを

放つことに気が付いたのです。



当時は食事表に加えて

その日の体調や眠気、

メンタルのアップダウン、

便の回数から形状まで。



殴り書きではありますが

バッチリ記録をつけていました。



尿がキツく臭う日の共通事項は

アスパラガス!



お弁当のおかずにもぴったり

作るのも簡単!


よく食べていたのですが。



尿が臭う日は決まって

アスパラガスを食べている…


わたしの尿を臭くする犯人は

どうやらアスパラガスにある!



シャーロックホームズ顔負けの推理に

意気揚々



ネットでググると


アスパラガスを食べると尿が臭いと

感じているのはわたしだけではなかった。



どうやら、アスパラガスを食べると

尿が臭うと感じる人がいるようです。



◆尿の臭いとアンモニア◆


わたしのように、

尿が時折臭うと感じたことが

ある方もいらっしゃるかもしれません。



尿は便と同じく、

身体の様々な不調をサインとして

教えてくれることがありますよね。



健康な人であれば、

排泄してすぐの尿というのは

そんなに臭うものではありません。



尿が臭う理由には空気中の細菌が

尿素を分解してアンモニアを発生させた場合。



公衆トイレを臭いと感じたことが

ある人は多いでしょうが、



壁や便器周りに飛び散った尿が

細菌によってアンモニアを

発生させているためと言えます。


家のトイレが公衆トイレのように

臭わないのは、

清掃が行き届いていることも

ひとつ理由でしょう。



アンモニアが臭いのもとに

なっているということですが、


ピロリ菌感染をしていると

ウレアーゼという酵素によって

胃粘液中の尿素が分解され、

アンモニアを発生させるそうです。



アンモニアはツンと臭いますから、

これがピロリ菌感染者の口臭の原因にも

なっているのだとか。



胃の中で公衆トイレの臭いが

漂っていると思うと、

ピロリ菌は早いこと

退治した方が良いですね。



公衆トイレといえば、

日本のトイレは世界に誇ることで有名です。


日本の綺麗なトイレに慣れていると

海外旅行先の公衆トイレに

驚愕することがあるかもしれません。


何を隠そう、

自称ギネス級のアルバイト歴を誇るわたしも

トイレ掃除のアルバイトを

経験したことがありますが、


世界に誇る日本のトイレとは言え、

個人的にはキツイ仕事ワースト3に入ります。



トイレネタを語るだけで今日のブログが

終わりそうなので

この辺りで今日は話を戻しますが、


トイレ掃除のおばちゃんを経験したわたしが

特に男性陣に伝えたい…


公衆トイレで用を足したあとは、

とにかく石鹸で手を綺麗に洗ってください。



臭い尿ということに話を戻して、


病気が疑われるわけでもないのに、

いつもより尿がなんだか臭うなと思ったら、


臭いの犯人はその日の食事、

とくにアスパラガスを食べていないか

疑ってみてください。



◆アスパラガス尿臭の嗅ぎ分け遺伝子◆


アスパラガスを食べると

確かに尿が臭くなる



このように体感している人が

いることからも、

わたしの推理は間違っていなかった!



アスパラガスで

尿が臭くなるその理由ですが、



調べていくと、

研究者たちの間でも

アスパラガス尿臭というのが長年

密かな論争になっていたようです。



というのも、

アスパラガスを食べて尿が臭う人と

臭わない人がいると言うのです。



アスパラガスを食べると

体内でチオールの一種

メタンチオールが発生するそうです。


このチオールも、異臭のもと。


多くのチオール類は強い刺激臭を放つと言われています。


ハイチオールCで尿が臭くなる体験をした

という人もいるかもしれません。



チオールの化学式がR-SH

表されることからも


硫黄(S)を含み、

臭うだろうということは

何となく想像できます。


硫黄は臭いですよね?

他にも大根おろしや、たくあんなども

代謝されるとメタンチオールが発生するそうです。



しかし、それならなぜ、

みな平等に臭いが生じないのか?


アスパラガスを食べても

尿が臭ってこない人がいるのは

おかしいではないか?


この問いに対して、

アスパラガスなどの硫黄化合物

上手く代謝出来ない人がいて、


臭いのもとになるチオールなどが

生じていないからではないか?


このように考えられていたそうです。


ところが、近年の研究で

"臭いを嗅ぎ取る遺伝子"のほうに問題がある!

という説が濃厚になってきたというのです。


アスパラガスを食べると

あなたの尿は臭いますか?


この質問に、

NO!臭わない。


と答えた人の多くに、

臭覚に関わる遺伝子にスニップが

見られたそうです。


つまり、アスパラガス尿臭を

嗅ぎ分けるための遺伝子に問題があるために、

臭いを感じない!という説です。


アスパラガスごときに大袈裟な、

と思われるでしょうが、


この遺伝子、


正確にはOR2M7という

嗅覚受容体をコードする遺伝子だそうです。


アスパラガス尿臭嗅ぎ分け遺伝子という

遺伝子名ではありません。笑



この遺伝子多型を持っている人は、

臭いを嗅ぎ分けることが

出来ないというわけですが、


驚きなことに、


アスパラガスを食べて

尿を嗅ぎ分けられない!という、

遺伝子多型の持ち主の方が

割合的には多いというのです。


アスパラガスを食べて

尿を嗅ぎ分けられる人の方が

レアということになります。



わたしは嗅ぎ分けることができます。

(ドヤ顔!笑)


◆家族総出のアスパラガス尿臭実験◆


日本人を対象とした研究ではないので、

日本人の遺伝子多型の割合に

当てはまるかどうか分かりませんが、



アジア人・世界的に共通するなら、

あなたの身近にはアスパラガスを食べても

尿が臭わないわ~という人の方が多いはずです。



是非、身近な人とアスパラガスを食べて

実験してみると面白いかもしれません。



アスパラガスを食べても

わたしの尿は全く臭わないよ?


と言う家族がいたら、

かなり恥ずかしいかもしれませんが、



アスパラガスを食べたらわたしの尿は臭ったよ!

と言う人を呼んで、


自分の尿を嗅いでもらう。



臭いに対する感受性は人それぞれですので、

嗅ぎ合いっこしないと、

判定は難しいです。



臭覚遺伝子多型関係なしに、


アスパラガスを食べても

メタンチオールを発生させて

いない可能性もあります。


その場合は本当に臭わないかもしれません。



遺伝子の問題か、はたまた代謝の問題か、

アスパラガスを食べて尿が臭う、臭わない…


両ケースには

色々な理由が絡むようです。



トイレに全員集合!


みんなで嗅ぎ合いっこ。


なんとも異様な光景になりますが

是非試してください。



誰もやらないって?笑



OR2M7遺伝子コードを含む

検査キットもあるようですが、

このアナログ実験なら、なにせ無料です。



臭いを嗅ぎ分けることが出来る

レアタイプでも、


嗅ぎ分けれないタイプでも、


どちらも、さほど嬉しくもなければ

さほど哀しくもない


アスパラガス尿臭嗅ぎ分け遺伝子!


果たしてあなたはどっちか?


気になった方はアスパラを食べてから

尿の臭いをチェックしてみてください。



◆アスパラガスはグルタチオン豊富◆


アスパラガスを食べると尿が臭う。


この事実を知ってから、

スーパーでアスパラガスを見かけるたび

カゴに入れるのを一瞬躊躇う

ようになったわたしですが、


アスパラガスを食べないのは

非常にもったいない話です。



アスパラガスは穂先にグルタチオンという

抗酸化物質が豊富と言われています。



グルタチオンは3つのアミノ酸


グルタミン酸

システイン

グリシン


から生合成される

トリペプチド


だんご3兄弟!と、習いましたね。



グルタチオンは抗酸化作用以外にも


解毒機能や免疫にも関わり、

アンチエイジングの分野でも

注目を集めています。


グルタチオンの点滴が

白玉点滴、ビヨンセ点滴なんて

呼ばれていたりもしますが、



一時期、世界の歌姫ビヨンセが美白になり、

グルタチオン点滴をしていたことで

一躍話題になりました。


グルタチオン点滴に膨大な額を

かけれない一般庶民のわたしは、

まずは食事から意識したいところです。



グルタチオンは体内でも

肉や魚に豊富なメチオニンから

生合成されますが、


アスパラガスに多いとのことで

尿の臭いにひるまず、

積極的に食べたいですね。



糖新生に関わるアスパラギン酸も豊富ですし、

抗酸化・美白にも効果あり!



家族みんなで食卓を囲む日には、

是非遺伝子検査の実験も兼ねて

アスパラガス肉巻きメニューでいかがでしょう。



※卵やワインで頭痛がしたり、

具合が悪くなる硫黄不耐症の方は

注意が必要です。

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