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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

執筆者の写真井上知代

≪食べない≫にハマるママ達

突然ですがプチ断食やファスティング

実践された方っていらっしゃいますか?


もしかしたら今まさに実践♪

って方もいらっしゃるかもしれませんね。


もしあなたが子育て中のママだったとしたら

ちょっと待って!


安易なファスティングは

危険と隣り合わせかもしれないんです…


≪食べないという選択≫


デトックスとかプチ断食とか

なんとなく女子ウケしそうなワード。

私も一時期ハマっていた時期がありました。


ちょうど食習慣の改善に取り組み始めた頃。

あるお医者様が断食についての

本を出されていたのを

読んだことがきっかけでした。

その他にもネットや書籍から

情報を得ていくと

  • 朝ご飯を抜くだけ

  • 夕食を抜くだけ

  • 週末は夕食だけに

などなど

様々なやり方が見つかりました。


デトックスになる。

働きづめの胃腸が休まる。

オートファジーでダイエット効果。


良いことづくめの情報に嬉しくなって

さっそく朝食抜きから始めてみました。

いわゆる16時間断食というもので

起きている8時間のうちに食事を済ませ

後の16時間は食べないというもの。


私は朝食抜きでトライしました。

最初は期待感で乗り越えていましたが

だんだん辛くなってきました。

もともと食べる事が大好きな性分。


最初は朝食代わりにお白湯などを飲むと

気分もすっきりしていたのに

だんだんとイライラしてくるように。

それにやっぱりお腹が空くので

昼食をドカ食いしてしまうし

夕食もいっぱい食べておかないと…と

思うからかいつもよりも多めに食べる。


結果として10日ほどで挫折。

しばらくはドカ食いが治まらず

かえって太ってしまう結果になりました。


≪健康を意識したはずなのに…≫


私が健康について意識し始めた頃

それは二人の子供を育てながら

無自覚で貧血を起こしていた頃。

ファスティングに惹かれたのも

貧血状態が理由の一つなんです。


ファスティング

つまり『食べない事』に惹かれる理由。

実はエネルギー切れを起こしているから。

つまり食事を作る元気がないから

『食事を作らなくていい』

っていうワードに惹かれている…なんて

裏の動機が隠れていたりするんですよ。


ここでいうエネルギーとはATPといって

私たちが食べた物と酸素を材料にして

作り出すものです。


ATPは私達の筋肉や内臓を動かしたり

代謝を行うために必要不可欠。

つまり食事をとるということは

ATPを作り出すためとも言えます。


先ほどATPは内臓を動かすために必要

と書きました。ということは

食べ物を消化するという事自体にも

ATPは使われています。

つまり食べるということ自体にも

エネルギーがいるということ。


だから貧血状態の私は

エネルギー節約のために

内臓を動かさない=食べない

に惹かれたんですね。


そうそう

働きづめの胃腸…と言いますが

働きづめの心臓を休ませてあげた方は

いらっしゃいますか?

なぜ胃腸だけはファスティングで

休ませないといけないんでしょう?


それに胃腸が休んでいる

(…かどうかはわかりませんが)

間に、肝臓は貯蔵してある糖を

エネルギーに変えるために

また、副腎ではアドレナリンや

ノルアドレナリンといった

血糖値を上昇させる作用を持った

ホルモンを分泌させるのに大忙し。


これらの臓器は胃腸のように

休ませてあげなくてよいのでしょうか?


よく朝食を抜いても

昼食まで元気に活動出来た!

とおっしゃる方も多いのですが

それ、多分アドレナリン作用

興奮している状態の可能性が高いですよ。


血糖値を上昇させるために

無駄にホルモンを使っていると

だんだんと副腎疲労(副腎の機能低下)

状態に陥ります。


元気がない方はたいてい

副腎疲労の状態だと疑ってかかっても

おかしくないくらいです。


胃腸は休まったのかもしれないけれど

それ以外の臓器が過剰に働く事になって

いるとしたら、それはまた

別の困りごとにつながりそうですね。


≪今のあなたに必要?≫


食べないことで

本来身体に入れたくないものを

排除することはできるかもしれないけど

同時に身体に入れる必要があるものを

取りこむ機会を失った事も事実です。


特に子育て中のママは

そうでなくても

寝不足、運動不足だったり

食事がおろそかになりがちで

エネルギーに満ち溢れているとは

言い難い状態の方が多いと思います。


その状態でさらに

エネルギーのもとである

食事をカットしてしまうことは

とても危険な事です。


食事を抜いてみて

  • 空腹時間が辛すぎる

  • いつもなら気にならない 子どものいたずらやワガママに 必要以上にイライラする

  • 吐き気やめまいがしたことがある

  • 次の食事でドカ食いしてしまう


こんな状態になるとしたら

今のあなたには『食事を抜く』事は

良いこととは言えないかもしれません。


そのファスティングは

10年後のあなたを今より

元気にしてくれる健康法でしょうか。


オーソモレキュラーアカデミーには

私の父母と同世代の素敵な先輩方が

沢山いらっしゃいます。

交流会などでお会いすると

皆さん明るくお元気で素敵な方ばかり。

人生の先輩として憧れております。


アカデミーで食べる事の大切さを学ばれて

実践されていらっしゃるからこそ

だと思っております。


このように書いていると

ファスティングを否定している?

と思われるかもしれませんが

治療目的などで必要とされている方が

一時的に効果を得る事には賛成です。

その際も低血糖が起きることなどを

しっかりと理解されている指導者の元で

取り組まれるのがよいと思います。


≪情報だけにとらわれないで≫


巷には様々な健康法があふれています。


もちろん一日一食や

特定の食品だけを食べたり

はたまた何も食べずにいるような方が

いらっしゃるのも事実です。


しかしその方々と今のあなたが

まったく同じ状況なのでしょうか?


例えば男性と女性では

そもそもの身体の作りが違います。

男性が一日一食で上手くいっている

というのを聞いて

子育てママが同じように

一日一食にしたとして

はたして健康に過ごせるでしょうか?


医師が推奨しているから

友達が成功してるから

インフルエンサーが言ってたから…


だからあなたも健康になれるかは

また別の話ですよね。


日々何のストレスもなく

好きなことをして適度に身体を動かし

十分な睡眠をとれている。


そんな子育てママって

ほとんどいないんじゃないでしょうか?


子どもと過ごしていれば

イレギュラーな出来事なんて

日常茶飯事ですよね。

我が家なんてこども3人いますから

イレギュラー×3です(笑)


イレギュラーに対応することも

運動不足になることも睡眠不足も

身体にとってはすべてストレス。

その度にママの身体では

どんどんエネルギーが使われていきます。


だからこそ食事をしっかりとって

ママ達には元気に育児を楽しんで欲しいと

願っています。


ここまで読んでくださって

ありがとうございました。


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